松本人志「遺書」この頃のトゲトゲしさはどこへ行った?

久々に松本人志の「遺書」を読んだ。
図書館でしれっと置いてあったためすかさず借りた。
1994/10/1発売。もう24年前になるのか。

遺書

遺書

 

 

 
この本が出てから1〜2年くらいしてから漸く手に取った。読んでいた当時は中学生だったのだが、ただただ「意識過剰なお笑い芸人」という印象しかなかった。ダウンタウンのネタは嫌いじゃなかったしむしろたまに見ては笑っていたが、「遺書」を読んで松本人志に幻滅した記憶がある。
しかし、30超えて改めて読み直すと違う視点で読むことができる。
(意識過剰だなぁとはちょっとは思うけど)

改めて読んでみると清々しい

一言でこの本を表現するのであれば、「ジャブなしのストレート」。ダウンタウンとして、一人のコメディアンとしてのプライドや仕事観や怒りが嘘偽りなく叩き込まれている一冊である。決して人を媚びず本音で全力投球するこの頃の松本人志は「孤高の人物」という印象を受けた。自分を「天才」と言い天狗になる一方(あ、新人の頃から天狗か)、「プロのコメディアン」として日々もがき続け、傷つき続けてきた繊細な人間だったのだと思う。

肝心の内容については読んでもらうしかない。というより、放送コードに引っかかる言葉だらけで引用があまりできないのだ(苦笑)。
表現の仕方はいちいちひどいが、読み方を変えればコメディアンだけでなくとも、例えば会社員だろうが違う職業だろうが、仕事をする上でのバイブルにもなりうる。「仕事を本気でやっているからこそ」ここまでストレートなものの言い方ができるのだろう。

読む人によっては腹が立って仕方がない内容ばかりだとは思う。確かにパッと読むと大顰蹙を買う内容ではあるけど、読んでいて清々しいのだ。わたし自身、変に人に媚びたことを言う人間が嫌いなのでここまでどきついことをスパッと言ってくれるのは気持ちがいい。
執筆を通じて「松本人志」という一人の人間のストレートさがくっきり見えてくる。

最近の松本人志はまったく面白くない

残念なことに最近の松本人志はまったく面白くない。結婚して娘が生まれて丸くなったからか?と思ったらそうでもなくて、その前からすでにピークは過ぎている気がする。
確かに、50も過ぎたオッサンが「遺書」を公開した30くらいのままのトゲトゲしさ全開でここまでくるのは痛いかもしれない。が、だからと言ってなぜ「コメンテーター」に転身しているのか?Yahoo!なんか見ていると、何かしらニュースがあるたびに松本人志の意見が取り上げられるがその度に残念な気持ちになる。うまく言えないのだが、「落ちぶれた感」が漂ってきてしょうがない。昼過ぎのワイドショーもしかり。芸能界のご意見番なんて和田アキ子だけで十分なの。

そういえば自らのピークに対して言及していたので「あとがたり」から抜粋させてもらう。

ぼくのピークといわれれば、わからないですけどね、まあいって四十じゃないですか。そのあと、俳優だとか司会だとか、とにかく形態を変えてまで芸能界に残りたくないですからね。最初の姿勢のままでいきたい。

こんな記述をしていた。しかし後になってドラマに出るわ歌出すわでどうした?!で、しまいにゃコメンテーター?芸者ガールズやオジャパメンを100歩譲って許したとしても、あのとき言っていたことと違うじゃないのと。最初の姿勢のまま行くのではなかったのか?自らピークだと言った四十はとっくに過ぎている。
ただ、本人も本当はもう自分で「俺のピークは過ぎた」と自覚しているのではないだろうか?それを知ってコメンテーターなんかやっているのであればそれはそれで失笑ものではあるが。

松本人志の面白さは映画「大日本人」でメガホン取ったあたりから面白さが急降下している気がしてならない。若い頃にすでに「笑いへのパワー」を使い果たしてしまった感が強いなぁ、と松本人志を見るたびつくづく思う。丸くなりすぎているのだ。

いや待てよ、もしかしたら結婚もひとつの原因かもしれない。

昔はおもしろかったのに、普通のおっさんになってしまったコメディアンをオレはいっぱい知っている。やはり、オレにとって結婚はありえないのかもしれない。

「結婚についてタップリ書いてやるぞコノヤロー!」の章で書かれている一文を抜粋したが、残念ながら松本人志本人もその一人となってしまったようだ。

ま、そもそも普段テレビを見ないので松本人志が出る番組も見ない。もとい、今後も松本人志の番組は見ない。おそらく今年もガキの使いをやるかとは思うけど、当然それも見ないで年を越す。理由は単純。「面白くないから」。

そりゃ、我々一般人なんかに比べたら笑いのセンスは雲泥の差だろうけどね。
でも、そろそろ引退なんかもお考えになったらいかがなものか、と思う。

ちなみにわたしにとっての松本人志のピークは「一人ごっつ」。あれこそ誰にも真似ができぬ究極の作品だと思う。後継の「松ごっつ」ではなく、あくまでも「一人ごっつ」。


追記:「一人ごっつ」でやっていた全国お笑い共通一次試験で、ある回で単語を線で繋いで面白い言葉を作れという問題があったと思う。

松本人志の解答で「酢ジャズ」が模範解答となっていて本人も「酢ジャズ」で大爆笑していたのだけど…

スンマセン、どうしてもここの笑いどころがわからないのですが…ねぇ、ネェ。