盲腸が消えた21の夏(2)入院生活開始、謎の人物との出会い

それにしても参った。胃痛だと思ったら盲腸でやんの。 まさか自分が盲腸になるとは思ってもみなかった。 そして近いうちに腹を切ることになろうとは。
人生ってわからんものである。

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前回までのおはなし。

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入院開始。

病室へ連れて行かれ、点滴を刺される。今回は失敗せずに済んだ。 左腕の関節あたり。基本的には曲げない方が良いらしい。うーん、特に何するわけではないが、腕を曲げられないのは日常生活を送る上でたいそう不便である。

そして会社へ「盲腸で入院することになったのでしばらく休みます」という連絡を入れる。すかさず「盲腸って遺伝だからねぇ〜」などという無茶苦茶なことを言われる。 盲腸って遺伝だからね、また何かあったら連絡ちょうだい、お大事に。おいおい、話が繋がってないぞ。

 

盲腸は遺伝する、と言うのは真っ赤な嘘!

ちなみに言っておくが、「盲腸は遺伝する」というのは真っ赤な嘘だと思う。というより、そもそも盲腸の原因が未だに解明されていない中どうやって「遺伝」の一言で片付けられようか。さては不明だからこそ「遺伝」の一言で片付けられてしまうのか。そうだとしたらなんと世の中は乱暴なのであろうか。 無論、わたしの家族親戚一同盲腸になった者は誰もいない。わたし一人だけである。全然嬉しくない話だが。 ついでに知る限りの盲腸経験者にも、自分以外に盲腸になった人間がいたか、と聞いたら全て「NO」だった。

しかし遺伝の話抜きにして、なぜ自分ばかりこんな目に遭うのか。思えば幼少の頃から色々やらかしてきたのは自分だけである。アトピー、風疹、水疱瘡、食中毒で入院、19の春には肺炎になりかけるetc...そして今回の盲腸である。あと他なんかあったかもしれないが忘れた。 健康体の母と妹をよそに一人病魔に犯されるとは。
きっと自分というのは母の実子ではなく、福引の参加賞の景品でもらってきた子供なのだ。 もう、自分の存在自体が罪なのだ。存在するだけでバチが当たっているのだ。だから病魔が好んで取り憑くのだ。そうに違いない。

話がおかしな方向に行った。

 

期間限定ニートまたは三食付き、寝るだけの簡単なお仕事です。

夕方、母親が携帯の充電器を始め必要なものを持って現れた。 ボロ病院っぷりにおののいていたがさすがは母親、一瞬にして立ち直り、どうでもいい話をさんざん散らかし帰宅していった。 しかしこれから毎日ヒマだ。携帯電話にプラスしてマンガ本が数点とテレビがあるが、多分毎日寝て終わるのが容易に想像できる。これからの日々は寝るだけの簡単なお仕事です、状態である。もしくは期間限定ニートともいえる。

そして待ちに待った夕食の時間である。バリウムを飲む予定だったため朝から何も飲まず食わずだったのだ。出てきたものは具なし味噌煮込みうどんときた。ぬるいうどんだったが猫舌の自分にはちょうど良い。ちなみに病院食はまずいとよく言われるが、なぜかここの食事は旨い。なぜだ。まずいよりかはマシなのだが。

入院生活で必要なもの、あれば便利なもの、不要なもの

個人的な経験から、参考までに入院生活で必要な持ち物をリストアップしておく。

  • スマホやガラケーなどの携帯電話(連絡手段) 
  • お金(小銭を用意しておくとなお良し) 
  • 印鑑 ・免許証などの身分証明書 
  • 保険証 
  • 常備薬 
  • お薬手帳 
  • スマホなどの充電器
  • 下着類(2〜3日分程度)
  • スリッパなど室内履き
  • パジャマ
  • ボックスティッシュ
  • 歯ブラシ
  • プラスチックカップ(使う場面は歯磨き時くらいか)
  • フェイスタオル
  • 生理用品(女性のみ)
  • 髭剃り(男性の場合)

以下はあれば便利な持ち物。

  • バスタオル(なくても良いが、万が一退院間近に入浴タイムがあったときに必要)
  • ハンカチ(フェイスタオルで兼用しても良い。トイレ行く際に持っていると安心)
  • ウェットティッシュ
  • スキンケア用品(入院中はスキンケアの余裕はないかもしれないが)
  • 小説、雑誌、マンガなどの書籍
  • カーディガンなどの羽織りもの
  • 筆記用具(ボールペン一本くらいで良いかと)

断っておくが、入院する病院によりパジャマやスリッパなど用意されているものや、病院の購買があったりと状況が異なるためあらかじめ確認してから家族に持ってきてもらうと良い。

不要なものをあえて書くとすれば、

  • 化粧品
  • 飲食物
  • 「必要なもの」にリストアップしたもの以外

というところだろうか。
 

謎の人物現る

夕食後しばらく経過しトイレに行こうと思った。 入院していりゃトイレにも行きたくなる。入院していなくてもトイレくらい行く。 トイレにでも行こうと廊下を歩いていたら変な男と目が合った。 スキンヘッドの、推定40代のジジイだ。待合スペースみたいなところでタバコを吸っている。 見るからにヤバそうな奴である。

急ぎ足でトイレに駆け込む。とんでもねぇのがいやがる。ここは病院だろ?刑務所じゃない。 そういえばこのボロ個人病院、病院にしてみればボロすぎる。普通の病院とは違って民家みたいなのだが、一歩間違えばぬらりひょんやら砂かけババアやら出て来てもおかしくない雰囲気満載の怪しい病院である。 そんな雰囲気の病院なので、ヤバそうなジジイの一人や二人がいてもなんら違和感はないのだ。 (病院名はあえて伏せておくが、下北沢の胃腸科である。まだあるかどうか知らんが)

トイレで用を足し戻ろうとする。そのときハタと気づいてしまった。 そういえばあのスペースの前を通らないと部屋に帰れない… まだあのジジイはいるんだろうか。 いるとしたらあのジジイはこの病院に拘束されているヌシなのだろう。 あいつを敵に回したらわたしの命は一瞬でなくなる。 どうやったら関わらずに済むか、いや、適当に関わっておいてやり過ごすか…

ぶつぶつ考えていると声をかけられる。まだいた!!ヤツだ!!
「よぉ!!ねぇちゃん!!」

ひぃぃぃぃぃ


「新しく入ったのか、どうしたんだ?カッカッカッ」

何笑ってんだこのジジイ。21のうら若き乙女に対して失礼なヤツである。 シカトするのもあれなので適当に返事をする。

「盲腸になっちまったんだ、まぁ大丈夫さ」

ちょっと話してみるとなんだこのジジイ、いいヤツじゃないか。 怖がることはない、入院中の付き合いだ、せいぜい仲良くしておこう。 ジジイはわかばを吹かしながらノリよく相手をしてくれる。

こちとら自由な刑務所じゃねぇかぁぁぁ!!

なかなか気分がよくなったところで部屋に戻り、テレビをつける。だいたい22時頃。 しばらく見ていると突然看護師のババアが部屋に入り込んできた。

「アンタ!!!テレビなんか見てないでさっさと寝なさいよ!!!」

強制的にテレビを消される。 なんなんだこのババアは。なんなんだこの看守みたいな態度は。

…やっぱりここは刑務所か。

そして今日出会ったあのジジイが本気でヤバい奴だということを後日聞かされることをわたしはまだ知らない。

続く↓

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写真:フリー写真素材ぱくたそ