よわい11にとってのバレンタインデーは「ただの引き立て役」になったことでした。

今週のお題「わたしとバレンタインデー」
今日はバレンタインデーだ。特にデートもなければチョコレートを誰かにあげるわけでもない。おまけにバレンタインデーを満喫しまくるどころか会社でビールを飲むイベントに参加してきたのだ。どこへ行ったバレンタインデー。
今まで生きてきた中でインパクトがあったバレンタインデーがあったのでちょっと書いておきたい。

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チョコの値段がすべてじゃない

入社3年目のバレンタインデーの時の話。
昼休みに女性の先輩と二人でバレンタインチョコを買いに行った。買物を済ませ会社に戻る最中先輩はしきりに注意喚起してきた。
「アヘラちゃん!チョコの値札は絶対に取るんだよ!いいね?!」
あぁはいわかりましたと。返事は「はい」か「YES」のどちらかだ。先輩の命令は絶対だ。
以降、3時のおやつ時や終業間際などことあるごとに「値札は取ったか」としつこく聞かれた。

そんな中事件が起こった。
終業後、わたしと女性の先輩はそれぞれ課長と男性の先輩へチョコを渡した。女性の先輩は渡したあとすぐ帰ったがわたしは残業のため再び業務に取り掛かる。

と、その時。笑い声が聞こえてきた。
「この値段分お返しをくれってことだよね…ふふふ」
男性の先輩が失笑していた。彼が差し出してきた紙袋の口には「¥500-」の値札シール。
なんと女性の先輩が渡したチョコ、紙袋に値札シールが引っかかっていたのだ。おそらく外した値札がくっついてしまったのだと思われる。
あちゃー…あれだけ人に忠告しておきながら自分がそんな大失態をするとはw

後日、3/14のホワイトデー。
男性の先輩はしっかりとお返しを持ってきてくれた。少々苦笑しながら渡してきた。
わたしは素直に受け取りつつ、「ああきっと¥500-以上はしたんだろうなぁ」と思いながらプレゼントのブラウニーをかじっていた。

愛情の深さはチョコレートの表面にも現れる

小学校5年の頃の話。
同級生に「超」がつくほどモテる男、Sがいた。よくいる「顔が良くて足が速くて…」のタイプだ。おまけに少年サッカーでレギュラーをやっているとなればもうモテモテ要素充分だ。マンガのような出来事だが本当にそういうのがいた。当然女は放っておくわけではなく、そいつのことが好きな女も結構いた。わたしは奴の一体どこが良いのか、なぜあんなにきゃーこらきゃーこら言われてるのかサッパリわからなかったが。

もちろんバレンタインデーではそいつへチョコを渡す女がいた。
そのうちの一人、クラスメイトのR子が近づいてきた。
「アヘラさんさぁ…あの人の家、知っているんだよね…?家まで連れてって!お願い!」
うっわ〜かなりめんどくさいのが来た。こっちへ来るなあっちへ行け。実はこの女のことが嫌いだったのでなおさらだ。わたしはR子へわざわざ家に行かなくても学校で渡せばいーじゃんかよと突っぱねたのだが、「学校で渡すと恥ずかしいからイヤ(キュルン♪)」だと。なーにがキュルン♪だ。え?乙女心を汲み取れ?誰が乙女だ誰が。給食前ってのもあったけど昼前からすでに絶賛不機嫌なうのアヘラ11歳。

不機嫌なまま迎えた放課後。家なんか行かないで学校で渡せ!!と背中を押したが、不運にもターゲットのモテ男は帰宅してしまっていた。何てことしてくれたんだあの男は!!とさらに怒りのボルテージが上がる。
そんなわたしをよそにR子は「んねぇ〜早く連れてって〜ん」としつこい。「ンモーオラ行くぞコンニャロ」とR子を引っ張り出しモテ男Sの家へ向かう。

とうとうやってきたモテ男S氏の自宅。ドキドキしながらインターホンを押すR子。それを尻目に「あ〜はよう帰りてぇ」とつまんなそうにするわたくしアヘラ。
ところが何回インターホンを押しても一向に家人の誰も出てくる気配がない。これは困った。しょうがないので家のポストにでも入れてやれば?と提案したところR子がポストへ入れる…。
が、R子が作ってきたチョコはたいそう分厚く(そしてでっかく)、とてもじゃないけどポストへ差し込むことができないほどだったのだ。
もうこうなったらどうしょうもないので玄関の前にそっと置くことにした。

アヘラ「ほら、もう置いたからいいでしょ、帰るよ!!」
R子「いや!S君が帰ってくるまで待つの!!」

うそだろおい。待つくらいならばチョコを置きっぱにしないでお前一人で家の前で待ってろと言うも「直接渡すのは恥ずかしいの、ちゃんとチョコを取ってくれるところまで見届けないと気がすまないのぉ!」とわがままを言いやがる。仕方がないので我々は電柱の影から放置したチョコをそっと見守ることにしたのだ。マンガのようだが本当に「電柱の影から」見守っていた。
しばらくしてから当の本人が帰宅。奴はチョコが入った紙袋を手にキョロキョロしたのち家へ入っていった。R子は満足そうに帰っていった。わたしは帰宅するまで終始不機嫌であった。おやつが食べたくてしょうがなかった。チョコ以外の。

次の日早々モテ男Sがわたしのところへやってきた。「お前俺の家教えただろ!!」と文句たれたれ。知らんがな。まずなぜわたしがお前の家を教えたとわかったのだ。悪意を持って教えたわけじゃねーんだ。「チョコもらえてよかったぬ?」と抜かしておいた。
が、Sから続けて聞いた話でめまいがした。受け取ったチョコをその日のうちに開封したそうなのだが、なんとチョコの表面一面には指紋がびっちりついていたとのこと。おまけにチョコが硬すぎて食べるのも一苦労だったという。た、食べたのかよ…。

だが腹立つことにSはこれまたイケメンぶりを発揮した。3/14のホワイトデーでだ。
律儀にもSはあのブサイクなチョコを作ってきたR子へ「バレンタインデーのお返しだよ」と旨そうなキャンデーを持ってきたのだ。おそらくお母さんが買ってきたのだろうけどそれにしてもなんて旨そうなキャンデーなのか。チッ。誰のおかげでそのキャンデーが食えると思ってんだ?分け前として半分よこせっての。

そしてわたしはこの一件で「手作りチョコというのはチョコの表面をベタベタ触るもの」という間違った知識が植えつけられてしまった。これがトラウマとなりしばらくの間手作りチョコというものを全く食べられなくなっていた。そしてR子の無駄な乙女心を気味悪がる一方、ムカつくほどのイケメンっぷりを発揮したSをボコボコにしたい気持ちを抑えるのに精一杯だった11歳の3月であった。

なお年月が経過し現在Sは結婚し子をもうけているようだが、Sの相手はR子ではない。