ホワイトデーひとつでその人なりがわかってしまうのだとわかったあのときの話。

ブラックサンダー抹茶あずき


今日はホワイトデーらしい。
誰にもチョコレートをあげていないのにホワイトデーのプレゼントをいただいてしまって、恐縮。
実はホワイトデーにはあまりいい思い出がないんだけど。

 

28歳のときのホワイトデーが最悪だった。
当時付き合っていた男へバレンタインデーにクッキーを手作りした(手作りじゃなきゃ嫌だというわがままを素直に聞いてやったので)。間違えても指紋ベタベタのチョコレートではない。
そのお返しということでホワイトデーはごちそうにしよう、と提案された。
わーたかが手作りクッキーというだけでホワイトデーはごちそうしてくれるなんて♪と期待していた。

数日後。
目を疑うようなメールが入ってきた。

「節約のため、ホワイトデーは家でやろう」

?!
なんですと?!
「節約のため」…?!

最初の五文字は一体なんなのだ?「節約のため」?恐らく本人は「外へ食べに行かずに家でごちそうでも作って二人でゆっくりしよう」という意味だと思うが(できればそうだと思いたい…)、大抵こうやって言われたら「テメェに出す金なんてねーよ!」とディスられていると捉えられるだろうに。
もし仮に本気で「飴一個でもこいつに出す金が惜しい」と思っていたのならばそう思っていたで構わないのだが、そんな風に言うのであればせめて「節約のため」の五文字は消しておくべきなんじゃないか?

ま、オブラートに包む言い方が主流の日本人にしてははっきり言ってくれたのでそこは褒めてやる。
だが、「節約のため」ならばいっそのこと別れた方が早いんじゃないか?ようは金を出すのが惜しいのであれば、デート代とかもったいないじゃん。男女交際というものは0円じゃできないんだぞ。最低でも1円はかかるというのに。
とはいえ、あのときにすぐ「ではそのような発言をなさるのであれば、節約のために別れたほうがお早いのではありませんこと?」と嫌味ったらしく丁寧に言い放てなかった自分には今でも本当に腹が立つ。

ちなみにあのときのホワイトデーはどうなったのかというと、あのメールが来たときにあまりに唖然としてしまい「…節約、ですか」とだけ返した。その後色々メールが来たけど一切無視をした。
そしてホワイトデー当日、無理矢理連れ出され(別件キャンセルしたんだぞ!)レストランへ連れて行かれた上にネックレスをもらった。「STAR JEWELY」というブランドの一番安いやつ。
「これだけしてもらったんだから幸せじゃないの!」という声が聞こえてきそうなのだが、最後まで「節約のため」という文言が引っかかり何も嬉しくなかった。むしろ一刻も早くその場を離れたかった。え?わたし、おかしいか??

そういえば思い当たるフシは色々あった。
一度海外旅行へ行く行かないの話になったときに海外旅行をしたことがあるわたしの経験をもとに「たいてい10万はかかるよ」と言ったら「10万~~~?」と「高い!」と言いたげなリアクションをしていたし(結局こいつとなんか海外旅行へ行く意味がないと判断した)、「安さ」だけにこだわり「安いやつ、安いやつ!」なんてバカなことを言っていた。他にも、わたしが化粧水一本買おうとしていたときもたかだか1,000円前後なのに「高い!!」とわけのわからないことをほざいていた。テメェには必要ないものだがわたしにとっては日用品だしわたしの金で買うというのにいちいちうるせぇんだよ全く。

わたしはこれですべて察知したのだ。此奴はただのケチだと。本音があのメールでポロッと出たのだ。そして一緒に過ごしてわかってはいたが30を過ぎても生きた金の使い方のひとつ知らない人間味の乏しい奴だと改めて知った。自分が一番かわいく他人にはドケチ。わたしじゃなくても他人に対してお金を使うことにも渋っていたのでこれには呆れた。
例えばこいつと結婚し人生なんか共にした日には地獄の未来が約束される。つまり一生を棒に振ることになるのだ。逆に結婚したとしてもその後離婚をすることになってしまえばそれはそれで黒歴史がひとつ作られてしまう。
何にせよ明日からのわたしの未来には此奴という一人の男は不要だ。他にもたくさん要因があったのだが、ホワイトデーという出来事がほぼ引き金となりわたしはあの男を捨てることにした。まだ付き合いがそこまで長くないときだったので傷が浅いうちに捨てるのが賢明だと判断したのだ。

未だにわたしは独身だが、今思い返してみてもあのときに男一人を断捨離したというわたしの判断は正解だった。というより「この男からは離れるべきだ」とうすうす気づいてはいたものの、具体的なアクションを起こせなかったわたしのもとへ神様が「ホワイトデー」というイベントを利用して試練をプレゼントしてきたのかもしれない。
そう思うとあのときのホワイトデーは「ある意味」いい思い出だったのかもしれない。おかげさまで今、精神的にも金銭的にも安定した人生を送ることができている。感謝。

そんな過去を思い出しつつ、本日のホワイトデーは抹茶あずき味のブラックサンダーを購入した。ヒャッホゥ!