カレー嫌いが余計にカレー嫌いになった話

カレーが嫌いだ。

…いや正確に言うと、「好んで食べない」と言うべきか。出されたら食べるが自ら率先してカレーを口にすることはない。
ただし例外があって、以前紹介したcampのカレーだけはたまに食べに行き幸せな気分になって帰ってくるのだ。あのカレーだけは別格だ。campのカレーというものはわたしにとって「神格化」されているのだ。大げさな表現をしているがそのぐらい別格なカレーなのだ。

そんな中、カレー嫌いが余計にカレー嫌いになる出来事が先月起こった。

カレー


わたしが所属するクラリネット・クワイアーの合宿が3月の半ばに河口湖で行われたのでもちろん参加してきた。
クラリネット・クワイアーに限らず吹奏楽団やオケなどの音楽団体やサッカーや野球などのスポーツチーム、もっといえば部活動なんかは合宿というと練習がメインなのだが、それとは別に合宿を充実させるための潤滑油が必要だ。
部屋の良し悪しやら風呂やら、あとは大人限定ではあるけど「懇親会」と称した夜の飲み会など。まぁ重要視すべき部分は多々あるが、なんといっても宿での食事が一番重要だろう。

だが、この合宿で最重要項目である「食事」というものに見事に裏切られた。

合宿最終日の昼食がカレーだった。
午前中の練習の時点で「やっぱさぁ合宿と言ったらカレーだよねぇ」という声があちこち聞こえてきていた。「合宿=カレー」の意見に対してわたし自身は「え?そうなの?」という感覚でしかなかったのだが、恐らく周りのメンバーは「昼のカレーに向けて練習頑張るゾ」と内心意気込んでいたのだと思われる。

そして正午。お待ちかねの昼食タイムがやってきた。しかしカレーの香りがしてこない。「全く」と言っていいほどだ。
あ~カレーじゃないのかぁと落胆するメンバーが続出する中、食事が用意された大広間に入るや否や空気が一変、「やったカレーだ!!!」と歓声が上がった。
…いやちょっと待て、「カレーの香りがしてこない」のになぜカレーだと断言できる??わたしは何だかわからないが嫌な予感がしていた。実は今回宿泊した宿の飯が一食残らずまずかった。そのためカレーであっても全く期待はしていないのだが、それでもわたしの中で湧き上がった「嫌な予感」の全貌がつかめない。

もやもやしつつ席についてみる。周り、ワクワク。わたし、ジメジメ。気分を擬態語で表現しろと言われたらまず間違いなくこう答える。
確かにテーブルに整然と並べられたものはまぎれもなくカレーだった。相変わらず旨そうには見えないがとりあえずカレーだ。なぜカレーの香りがしてこないのは謎だがよくよく確かめるとカレーだ。

のち、いただきますの声がかかり皆一斉に食べ始めた。一口いただいてみる。

…まずい、まずすぎる。

なんというかその…カレールーが足りなくて水っぽい。やはり色からして何かがおかしかった。これは二口目は無しな味だ。どこかから「絶対カレールーけちっただろ」という声が聞こえてきた。
そしてわたしの向かいの人や隣の人から相次いで発せられた「野菜に味が全然しみこんでいない」という言葉。確かにそうだ!!さらには「野菜の切り方がおかしい」とまで。
確かに野菜の切り方がおかしかった。わたし自身の拘りとしてにんじんは絶対に乱切りじゃなきゃ許せないのだが(百歩譲って厚めのいちょう切りまでかしら、許せるのは)、にんじんは薄い半月切り、さらにじゃがいもまで薄い半月切りになっていた。じゃがいもこそゴロゴロしてないとダメだろうとツッコミを入れたい。で、肉がほぼ入っておらずなぜか茄子が入っていた。茄子ってカレーに入れると溶けるのでは?という感じだがしっかり姿かたちが残っていたため、おそらく茹でた茄子を後で放り込んだものと思われる。
周りの席の人たちと話していたのだが、「この野菜の切り方からするともしかして今日の昼は本来カレーの予定じゃなかったのでは?」ということ。カレーでない何かを作る予定だったけど、我々がカレーカレーと騒いでいたのを偶然耳にした宿の人たちが急きょ変更したのかもしれない。で、後で慌ててカレーへ野菜をぶっこんだ、そんな感じのカレーだった。
とはいえ、もしカレーじゃなかったとしてもあの野菜の切り方からして一体何を作るつもりだったのだろうか…???

いくらなんでもこれは大変にひどすぎるレベルである。昼食前の合奏終了後にわたしは隣の人に「カレーだったらさすがにまずくは作らないんじゃないですか?ここの飯はまずいけどカレーだったらまだマシかもです」と言ってみたのだが「いや、カレーってまずく作る人はほんっとにまずく作るから!!」と一蹴された。まさかそんなはずはないよなぁと心の中で若干反発していたのだが、見事に立証されてしまったのだ。
おかげさまでわたしは結局二口食べただけで残した。食器をまとめるときに「やっぱカレーならみんなきちんと食べr…あれっ?!」と目をまん丸くした誰かの反応が未だに忘れられない。
そして謎だったのが、最初から銀皿に一人分ずつ盛られていた上に(普通、カレーというのは鍋に入ったまま運ばれてきてそこからみんなでよそうものだと思っていたのだが…)量は少なめ、で、最初から盛られていたからかなんとおかわり分は無し。さらにはサラダやスープといった副菜すら無いという最悪の事態だった。

予想通り男性陣にとってはサラダもスープも無いカレー一杯では足りずコンビニへ走る者が数名いた。また不満が爆発したのかデザート調達へ走る女性陣の姿も。
無論、あまりにまずすぎたため二口でギブアップしたわたしも腹持ちが心配になりコンビニへ走りおにぎりを調達した。が、すかさずいろんな人から「カレーだけじゃ足りなかったのかな~?」「ちゃんと飯にありつけたのかな~?」と笑われたのだが、違---う!!(><)まずくて食えなかったんだまずくて!!と弁解するのに必死になっていた。弁解するだけでパワーを使ってしまったぞまったく。

この日を境に本当にわたしはもっとカレーが大嫌いになった。今までまずいカレーを数回食べたことがあったが、この合宿のカレーはけた違いのまずさだった。
あまりのまずさに解散まで終始激おこ状態だったのだが、某県から参加していたお姉さんの一言。

「あれよりもさらにまずいカレーをどこかの合宿で食べたことがあるんですよ」

はい?!
あれよりまずいカレーってどんなカレーだ?
もしそんなの食べたらカレー嫌いにさらに拍車がかかりそうだ。というより、逆にそれを食べてしまったら悟りを開けそうな気がしないでもない。
何もカレーだけが特別なものではないのだ。他の料理と同等に「作り方ひとつで旨くもまずくもなる」ということを忘れてはならない。

なぜあんなにカレーは特別視されるのだろうか?世の諸君よ、「カレー=特別な食べ物」という幻想を捨てよ!

***
以下、余談。
上でも書いたが今回の合宿で利用した宿の食事はひどいものだった。とにかくまずくてまずくて仕方がなかった。何をどうやったらあんな味付けができるのか不思議でならないレベルだったのだ。
ひどかったのは味だけではない。カレー以外の食事は仕切りがついたプレートというか、まぁそんな感じのものだったのだがなぜか毎度スカスカだった。あとおかず数品入れられるだろーが!とツッコミをしたくなるレベルのスカスカ度だった。誰かが「バードカフェのおせちを思い出した」と言っていたが、まさにそれ!!バードカフェのおせちがそのまま食事で出てきた感じ。
何人かが漬物とかを持参してきたのだが、客の持ち込みで皿のスカスカを埋めるって一体どういうことなんだろう(笑)
どうやらいつも利用していた宿が取れずやむなく今回はその宿にしたそうだ。食事がまずいまずいと連呼してしまいせっかく宿を手配してくださった合宿係の人には本当に申し訳なかった。が、もし次回の合宿でまたそこの宿だったら食事だけは全力でパスしようかと考えている。
(合宿を欠席すればいいじゃないか、という声が聞こえてきそうだが原則全員参加のため休むという選択肢は無いのだ)

河口湖駅でメンバーと別れ一人になったわたしはバスの時間つぶしを目的に駅前の喫茶店に入ったのだが、空腹に負け味噌汁とトーストを頼んだ。
味噌汁がたったの150円だったが野菜が大量に入っておりお椀も大きく、本当に150円か?!というレベルのものだった。で、恐ろしく旨い。
味噌汁を一口飲んだ瞬間、目から汗が出た。

2階の喫茶店の真正面にそびえる富士山にバカにされた気分になった3月中旬の日曜日午後。

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